久々に映画を見て嗚咽した。
本当に嗚咽。
嗚咽をした映画はレ・ミゼラブル以来。
映画に限らず小説やドラマの評価って難しくて、
誰もがどのタイミングで見ても高評価になる映画なんて無いと思いますが、
まず、子供がいるかいないかでこの映画に対する感想は大きく変わるでしょう。
個人的な事になりすぎるので詳しくは言えないけど、その人が幼少期や実際の結婚生活で経験した事がどのようなものであるかによって、
この映画の評価は天と地ほど差がでるなと思いました。
以下ネタバレ
ソフィの無垢な質問、
「パパは
11歳の時、将来は何をしてると思ってた?」
カラムの沈黙
開始2,3分のやりとりで、
カラム、ソフィ、ソフィの母親、
3人が過ごした家庭でどのような結婚生活があったのか痛いほど想像できてしまった。
映像の温度、湿度が、夏の休暇の高揚感、気怠さを余すことなく伝えていてもう見るだけで切ない。
陽の光であふれるビーチに、
夜から振り落とせなかった不安がところどころに滲み出してまとわりついてくる。
寝息
寝顔
寝付けない夜
3:09
下から見た親の眼差し
11歳の子にはまだ分かりもしないはずのなのに読めよと言って渡してしまう小説
これが最後だと分かっているから、
性急さを求めてしまう
終わることの分かっている楽しさ。
=
行きたい場所で生きろ
なりたい人間になれ
時間はある
=
この言葉はソフィに言っているけど、
この言葉とは裏腹に生きてしまったカラム自身
への戒めでもあるんだと親になった今なら分かる
自分は世間が求める意味での立派な親ではなかった、
ずっと小さい子供のままなら、偽りながらも暮らしていけるのかもしれない。
子供に成長して欲しいけど、そのままでいて欲しいような気もする
それは親のエゴで、
子供が大きくなるのは止められない
親も子供も世界の仕組みをまざまざと知る時が来る
小さい頃は親を盲目的に信頼して、
自分が大きくなれば親はこの程度だったのかと失望し、
自分が親と同じ年齢になったときに、
親の悩みを自分事として捉える
結局、自分も親も大して変わらなかったんだと
親子関係の理解の全ては後からやってくる
最後のダンスのシーン
QueenとDavid BowieのUnder pressure
愛を求めても傷つき
なぜ?
もう一度だけ愛にチャンスを
ただただ嗚咽しました。
=
残すから
私の小さな心のカメラに
Under Pressureの歌詞も素晴らしいので
是非YouTubeも見てみて欲しい。
People on streets
The people on the edge of the night
路頭に迷う人達、夜の片隅で不安に陥る人達への祈りがあります。
フレディー・マーキュリーが
Why can't we give love?
give love を×9回歌うのですが、
5回目ぐらいで涙腺が崩壊してしまいます(笑)
※
僕の中での、
いい映画やいい小説の条件を一つだけあげるとすると、その映画を見たりした後に、家族や大切な人に連絡をしたり、手紙を出したり、
実際に会う約束をしたり、目の前にいるのならば、優しい言葉をかけたり、抱きしめたり、実際の行動へエネルギーを向けさせてくれるとい
う条件があります。
この映画の結末はバッドエンドだけど、
この映画を見た後の自分と、大切な人達との関係は全くバッドエンドにはならない。
この世界をより愛するために、
この映画に出合えたのだと思う。
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