この世界には
コンジュとジョンドゥのたった二人が
自由に生きるためのスペースすら用意できない。
千夜一夜の
ジャスミンとアラジンの物語には心躍らせるくせに、
韓国の姫と将軍のお話には目をそらしたくなる
偏屈な自分の中の常識、差別意識をあぶりだしてくる。
私たちの都合の良いようにコンジュとジョンドゥの気持ちは
閉ざされ、改ざんされ、挙句の果てにはなかったものにされる。
ジョージ・オーウェルの1984の世界がまさにそこにはある。
無意識に見ないように仕向けられている世界を、
まざまざと見せつけてくれる強烈な作品。
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